アート

ポール・デルヴォー

裸婦が特徴的な幻想画家!

「森の目覚め」(1939年)

ポール・デルヴォー(Paul Delvaux 1897年9月23日 – 1994年7月20日)は、ベルギー・リエージュ州生まれの画家で、デルヴォー独自の独特な夢とノスタルジーの世界を表す作品が印象的な画家です。

彼の作品の特徴として「裸婦」「汽車」「ローマ風の街」「骸骨」が度々出てきます。
夜の場面が多いのでそれらも相まって幻想的な静寂が生み出されます。
こういう特徴から幻想画家と言われています。

代表的な作品

もっと詳しく!

ポール・デルヴォーは、ベルギーの裕福な家庭に生まれ、父親は弁護士、母親は音楽家です。
母親はデルヴォーを束縛、溺愛して育ててきたので、デルヴォー自身マザコンになってしまいました。
その結果、32歳のときに出会った最愛の女性アンヌ=マリー・ド・マルトラール(愛称タム)との恋愛も母親に否定され、諦めてしまったという恋愛遍歴もあります。
その後は母親の死がありデルヴォーは40歳のときに別の女性と結婚しています。
今度は反対されることなく。

ちなみに、デルヴォーの作品に度々登場する「血の通っていない青白い女性」はタムを描いています。
彼はタムと別れた後、タムのことを想像して描き続けていたんです。
ただ、この絵にも変化があって、彼が想像でタムを描き続けているうち想像が現実になります。
タムと別れてから18年後に彼は現実世界で再会します。
それからのデルヴォーの絵画に現れる女性は、血の通った肌質をしている女性になっていきます。

また、デルヴォーはシュルレアリスムの大御所のうちの一人で、他にはダリ、マグリット、エルンストなどがいます。

シュルレアリスムとは何かというと、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが提唱した思想活動で、超現実主義と呼ばれています。
ただ、シュルレアリスム=超現実主義だから現実にあるものだけ描くのかというとそうではありません。
超現実主義だからこそ、現実世界だけに捉われず作者の自由な想像を表現しようという考え方です。
だからこそ、デルヴォーの作品は想像のタムや自分自身の呪縛を表現していて、幻想的で想像力掻き立てられる作品が数多くあります。

悲しいですが、母親の束縛と溺愛からくる呪縛があったからこそ、最愛のタムを手放し、それを自然と自身の絵画に落とし込むということができたからこそ、彼は有名になったのかもしれません。
そういう点では母親の愛は偶然かもしれませんが偉大な功績を彼に残しましたね。

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