アート

エドガー・エンデ

ナチスに烙印を押された芸術家

エドガル・カール・アルフォンス・エンデ(Edgar Karl Alfons Ende 1901年2月23日-1965年12月27日)はドイツのシュールレアリスム(超現実的観点)の画家です。
エンデの描く絵の特徴としては、彼の夢や浮かんでくる心の闇を断片的に描いているということです。
だからこそ、一つ一つの絵に対して特別な意味があることは珍しくて、本人も絵に対して説明することが難しく、絵の意味を聞かれるのを常に嫌がっていたみたいです。

ちなみに息子はミヒャエル・エンデという「ネバ―エンディングストーリー」という有名な作品を生み出した文学者です。

代表的な作品

もっと詳しく!

エンデはドイツの芸術活動の復興に力を費やした画家の1人で、「暗闇の画家」と呼ばれています。
彼の絵画スタイルとしては、アトリエを何日も暗くして、部屋に閉じこもり、浮かんでくる心の闇を描いていきます。
このことから、彼はロマンティック・シュールレアリスムとも呼ばれていました。
そういう少し変わった画家の彼は着実に知名度を伸ばしていましたが、ナチスドイツの支配下にある当時、ナチスから「退廃芸術」という烙印を押されてしまいます。

この退廃芸術というのは、ナチス党の考え方に合わないもの近代美術や前衛芸術というのは道徳的・人種的に堕落したものでドイツには合わないと禁止するための芸術観念のことです。
この退廃芸術の烙印を押されてしまうと、その画家は画材や絵の具を買うことができなくなり、海外に逃げたり、反発をするとドイツ国内の銀行口座を政府に差し押さえられてしまうので自由に生活できなくなります。
もちろん退廃芸術の烙印を押されたエンデは、自由に作画活動ができなくなってしまい、家計はどんどん火の車になっていきます。

そんな苦しい時期に助けてくれたのが、当時の妻であるルイーゼです。
彼女が理学療法士として生計を立ててくれていました。

しかし、更なる悲劇がエンデを襲います。
39歳のときに徴兵され、43歳のときには空襲によりアトリエやアパートのほとんどが焼けてしまい、これまでの作品の7割が燃えてしまいます。
更に、翌年にはアメリカ軍の捕虜になってしまい6週間も拘束されてしまいます。

こういう悲劇を乗り越えエンデは戦後になってからドイツの芸術活動の復興に力を注ぎました。
そして64歳のときに心臓発作で彼の人生は幕を閉じました。

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